あらすじ
久世悠斗が手に入れたスキルは、《王様ゲーム》。
視界に入れた生物を専用空間へ連れ込み、番号を指定して命令できる能力だった。
ただし、誰が何番かは分からない。
命令できるのは一度だけ。
味方まで視界に入れれば、魔物と一緒に参加者になってしまう。
使いにくいだけのハズレスキル。
悠斗も最初は、そう思っていた。
だが、相手が一体なら番号は必ず一番になる。
敵だけを視界に入れれば、大群にもまとめて命令できる。
「一番。武器を置き、背中を向けて伏せたまま動くな」
それだけで、まともに戦えば危険な魔物も抵抗できなくなった。
格上のボスを一人で拘束。
百体の魔物をまとめて制圧。
毒を持つ魔物も、傷一つつけず自分から檻へ入らせる。
倒すだけではない。
捕獲、救助、護衛――条件さえ整えば、《王様ゲーム》にはいくらでも使い道があった。
盾役の水原ひよりが人間を視界から外し、前衛の堂島が発動までの時間を稼ぐ。
悠斗は二人が作った状況で、たった一度の命令を選ぶ。
やがてその異常な制圧力は探索者協会にも認められ、悠斗は特殊案件を任される《特別制圧枠》へ登録されることになる。
これは、ふざけた名前のスキルを真面目に検証し、仲間とともに安全で確実な攻略法を作っていく探索者たちの物語。
戦って倒すだけが、ダンジョン攻略ではない。