あらすじ
「最強の剣士」を支えるのは、最低ランクの冒険者だった。
Fランク冒険者・ヒロ。
彼は討伐依頼を一切受けない。
受けるのは、魔力導管の補修、橋や道路の修繕、水路整備――王都の人々が安心して暮らすための、誰も見向きもしないインフラ整備ばかり。
そのせいで、冒険者ランクは何年経ってもFランクのまま。
一方、幼なじみのガレスは、史上最年少で高ランクへ駆け上がる天才剣士。
誰もが「ガレスこそ主人公だ」と口を揃える。
だが、ガレスだけは知っている。
自分が最強でいられるのは、誰よりも自分を理解し、支え続けるヒロがいるからだと。
二人は幼い頃、故郷・陽だまり村を失った。
原因は魔物でも戦争でもない。
老朽化した魔力導管。
誰にも気づかれないまま進行したインフラの崩壊だった。
「もう二度と、誰にもこんな思いはさせない。」
その日からヒロは、街を守るために生きると決めた。
誰にも評価されなくても。
ランクが上がらなくても。
人々の日常を支えるため、今日も地下へ潜る。
これは、世界最強の剣士と、世界最高の職人。
二人で一人の冒険者が紡ぐ、誰かの日常を守る物語。