あらすじ
「その力は神の奇跡ではない。教会を脅かす異端の力だ」
あらゆる傷を癒やし、呪いを浄化し、死者の軍勢さえ一人で退ける最強の聖職者ルシアン。
多くの命を救ってきた彼は、その圧倒的な力と民衆からの支持を恐れた教会によって、異端者として追放されてしまう。
地位も財産も帰る場所も失ったルシアンが流れ着いたのは、犯罪と貧困に沈む王都の裏街だった。
そこには、治療費を払えず教会から追い返された病人がいた。
薬を買うために盗みを働く少年がいた。
衛兵にも教会にも見捨てられ、悪党たちに奪われ続ける人々がいた。
「教会が救わないのなら、私は教会ではない方法で救いましょう」
ルシアンは廃屋を治療所へ変え、ならず者たちを圧倒し、倒したギャングさえ仲間へ加えていく。
治療、護衛、運搬、奪われた品物の回収。
弱者からは奪わず、法で裁けない悪党には容赦しない。
やがて《黒聖会》と呼ばれるようになった小さな組織は、裏街を守り、貴族を震え上がらせ、腐敗した教会すら無視できない巨大勢力へと成長していく。
これは、正義に追放された最強の聖職者が、裏社会の頂点に立ち――世界で最も救われない者たちを救う物語。