あらすじ
「あなたを倒しに来ました!」
歴代最弱と噂される勇者フィリアは、毎日のように魔王城へ通っていた。
相手は世界最強の魔王アステル。
誰も近づけないはずの存在なのに、なぜか彼は勇者を殺そうとしない。
「また来たのか」 「今日は勝てる気がします!」
今日も返り討ち。
明日も返り討ち。
それでも彼女は笑ってやって来る。
そんな奇妙な日々の中で、フィリアはある秘密を知る。
――魔王の命は、あと一年しか残されていない。
世界を滅ぼすと言われた魔王は、実は誰よりも静かに、自分の最期を待っていた。
「だったら私は、あなたを救います」
その言葉を、魔王は笑って否定した。
救われる資格など、自分にはないのだと。
けれど、残された三百六十五日は、世界を変えるには十分すぎる時間だった。
これは、死を受け入れた魔王と、彼を生かしたかった勇者の、一年だけの物語。