あらすじ
愛想笑いが取れなくなった。
学校でも家でもただ笑っている。笑っていれば丸く治るのだからそうしている。周りは俺の気持ちなど関係なく、自分の都合のいい事しか認めない。だから、全て笑って済ませるようにしていた。
しかしそれは感情を制御できているわけではない。理不尽や、度の過ぎた揶揄は時に俺の神経を逆撫でさせ、臓腑が捩じ切れそうになる事も多々ある。制御できない情念。理知を超える衝動。怒りや悲しみを表に出さなければいつか取り返しのつかない事をしでかすような予感がずっと付き纏っていたのだが、それが的中してしまった。学校でいつもの間抜けが茶々を入れ俺を笑い物にした。クラスの人間は「いつもの事」という風に笑う。日常、変わらない時間。彼ら、彼女らにとってはそうなのだろう。だが俺は違った。これまで累積されてきた鬱屈が理性と平和を拒絶し肉体を支配。気が付けば右手が奴の顔面に突き刺さっていた。