あらすじ
二十歳の秋、黄金色に染まるいちょう並木で、彼女は冗談めかして言った。
「もし私がこの葉っぱと一緒に消えちゃっても、見つけてくれる?」
「当たり前だろ」と笑った男。けれど一ヶ月後、彼女は急逝する。
深い後悔に苛まれる彼のもとに届いたのは、彼女が遺した最後の願い――「私のために止まらないで」。
自分を解放しようとしてくれた彼女の愛を受け止め、彼は一人で自分の人生を歩むことを誓う。
――それから七十年。
誰とも結ばれず、毎年彼女の誕生日にあの並木道へ通い続けた男は、九十歳で静かに生涯を閉じる。
意識が遠のく彼を待っていたのは、あの日の姿のまま微笑む彼女だった。
愛するがゆえに重ねられたふたつの「優しい嘘」が、時を超えて奇跡を起こす純愛ストーリー。