あらすじ

レティシアには、終わる日が分かっている。 冬至の夜会で断罪され、修道院へ送られる。前世で読んだ物語が、そう決めていた。 だから彼女は、抵抗しない。 手帳に八十本の線を引き、朝ごとに一本ずつ潰していく。 置いていくものが減れば、置いていかれる側も減る。そう計算して、本を寄贈し、装身具を箱に戻した。 残り七十八日。数えられるうちは、まだ立っていられる。 けれど、この物語には悪い人が一人もいない。 冷徹だと噂される王太子は、思いのほか話を覚えている人だった。 自分を押しのけるはずの令嬢は、噂を消して歩いていた。 寡黙な父は、理由を訊かないまま、荷を運ばせると言った。 優しくされるたび、失うものが一つ増える。レティシアは淑女の笑みで、それを数に加えていく。 誰も彼女を責めない。誰も彼女を止めない。 そうして冬至が来る。 数え終わった線の先に、彼女は何を用意していただろうか。

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小説を読もう2026/07/29
  • 現在の作品断罪される令嬢は黙っている