あらすじ
雨の夜、王宮の本館で道に迷った下級侍女リュシアは、偶然、王妃と王太子の密談を聞いてしまう。
そこで語られていたのは、国民の誰もが次代の王と信じている王太子カシオンが、本物の王子ではないという秘密だった。
決して知られてはならない事実を聞いたリュシアは、王太子に見つかり、静かに告げられる。
「明日の朝、君は死ぬ」
王宮の片隅で、誰にも名前を覚えられずに生きてきた侍女。
国中の誰もが知る名を持ちながら、その名に囚われて生きてきた王太子。
一夜の偶然によって出会った二人は、それまで他人に決められてきた人生を、自ら選び直すことになる。