あらすじ

六十三歳、大学病院の臨床教授。四十年間メスを握り続けた外科医・葛城宗一郎は、定年退職を目前にして心筋梗塞で倒れた。  最期に考えていたのは、患者のことでも家族のことでもなく――「本能寺の変さえなければ、この国は変わっていたのに」という、酔うたびに語っていた与太話だった。  目が覚めると、そこは戦国の尾張。しかも転生先は織田信勝。信長の実弟にして、史実では兄に討たれる男である。  天下人の器を持たぬ俺に、槍は振れない。だが俺には四十年分のカルテがある。  生水を煮ろ。傷は焼くな、括れ。白飯ばかり食わせるな。――地味な処方箋が、やがて織田軍団を戦国最強の「死なない軍隊」へと変えていく。  目指すは天下ではない。天正十年六月二日、あの夜を消すこと。  これは、天下人の主治医となった転生外科医が、二十六年かけて、たった一つの謀反を予防する物語である。

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カクヨム
カクヨム2026/07/29
  • 現在の作品転生軍医、織田信行 ― 本能寺を消す処方箋―