あらすじ

香りで人の嘘を嗅ぎ分ける宮廷調香師、公爵令嬢アニエス。十年仕えた婚約者は、ある夜「君とは終わりにしたい」と口にした。けれど彼の言葉の裏では、覚えのない甘い香水と、隠しきれない嘘の匂いが立ちのぼっていた——寵姫が仕組んだ、偽りの証拠の匂いが。 泣いて引き下がるつもりはない。アニエスは調香師の職能で、婚約破棄を飾り立てた偽装を一つずつ嗅ぎ当てていく。すり替えられた香水、盛られた毒、詐称された血筋。暴くほどに、彼女を「ただ一人、香りの価値を分かる者」として見出す男——冷徹と噂される第二王子だけが、なぜか香りで読めない。 香りは嘘をつかない。だから私は、あなたたちの嘘を全部知っている。静かに、確かに、匂いで真実を突きつける令嬢の逆転が、婚約破棄の夜から始まる。 ——では、この“作られた匂い”を最初に仕込んだのは、本当に寵姫ひとりだったのでしょうか。

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小説を読もう2026/07/29
  • 現在の作品香りで嘘が分かる調香師令嬢は、婚約破棄が“作られた匂い”だと気づいてしまった