あらすじ
「第一印象、マイナス百点。」
軽い調子で話しかけてきた佐藤勇人に、桜子はそう判定を下した。
人の心なんて、心理学を学べば解き明かせる。
ずっと、そう思っていた。
日本舞踊家の父と華道家の母のもとで育った大学三年生・白河桜子は、恋愛経験ゼロの女の子。
そんな桜子の日常は、幼なじみのしーちゃんこと勝木真司がいれば十分だった。
――あのナンパ男に出会うまでは。
落とした学生証を届けてくれたあの日から、なぜか勇人のことが気になってしまう。
しーちゃんといるときと、勇人といるとき。
どちらも大切な「好き」のはずなのに、胸に生まれる感情はどこか違っていた。
そして真司は、幼い頃からずっと桜子を想い続けてきた。
恋愛の「好き」も、人としての「好き」も、本質は同じだと思っていた。
同じ「好き」という言葉を、それぞれ違う形で受け止める桜子と真司。
そして、二人の関係を誤解してしまう勇人。
町おこしのために始まった大学と商店街の「和」のイベントを通して、三人の関係も少しずつ変化していく。
三人がたどり着く「好き」の答えは、教科書のどこにも載っていなかった。
【登場人物】
■白河 桜子(21)
本作の主人公。大学三年生。
日本舞踊家の父と華道家の母を持つ、少し天然で心優しい女の子。
恋愛経験ゼロで、恋も人の心も心理学で説明できると思っている。
■佐藤 勇人(21)
本作のメインヒーロー。大学三年生。
明るく親しみやすく、料理が得意。
桜子から初対面で「マイナス百点」と判定されるが、恋愛には意外と不器用。
■勝木 真司(21)
桜子の幼なじみ。通称「しーちゃん」。
中性的な美しい容姿を持ち、ファッションデザイナーを目指している。
幼い頃から桜子に想いを寄せている。
■神谷先生(35)
恋愛心理学の講師。
穏やかな性格で、恋に悩む学生たちを見守る。
■黒田先生(42)
化学担当の講師。
冷静な現実主義者で、神谷先生とは何かと意見をぶつけ合う。
■夜空 蓮(27)
BAR Lampのマスター。
飄々としているが人の心の変化には鋭く、三人の恋を少し離れた場所から見守っている。