あらすじ
満開の桜の下、彼は黒い日傘をさしていた——。
高校の入学式。
舞い散る桜の中、黒い日傘を広げ、真っ白な髪を風になびかせる少年・千寿(ちひろ)と出会った咲良(さら)。
どこか浮世離れしたミステリアスな雰囲気に目を奪われる咲良だったが、奇跡的に隣の席になった彼は、見た目とは裏腹にクラスを一瞬で明るくする屈託のない「お調子者」だった。
「なんで日傘さしてんの?」
「これぞ美肌男子の極意だよ!」
そうやっておどけて笑う千寿。
しかし、彼がノートにこっそり書き溜めていた『高校生活でやりたいこと100』のリストを見つけたことで、咲良は彼の眩しすぎる笑顔の裏にある「ある秘密」に少しずつ気づいていく。
白髪の理由も、夏でもさす日傘も、全部彼のついていた『嘘』だった——。
桜が舞う季節から始まり、やがて巡りゆく四季。
限られた時間の中で全力で今を生きる千寿と、彼を真っ直ぐに愛し抜こうとする咲良。
彼が最期まで隠し通そうとした「最初で最後の嘘」を知ったとき、涙が止まらなくなる——。