あらすじ
神が世界を見ているなんてことは、あるわけがない。
俺の完璧な弟は、誕生日に凄惨な姿で殺された。
目の前で「完璧なものが崩れる瞬間が見たかった」と笑う友人。
友人は己の『美学』のために弟を殺した。
だが、友人は知らなかったのだ。
弟がなぜ、笑ってその死を受け入れたのかを。
弟にとって己の死すらも、兄に捧げる『完璧』の一部だったのだと。
友人の美学、弟の美学。
ならば兄である俺の『美学』は──弟の完璧に作られた傷を、この手で消し去ることだ。
三人の狂おしい美学が交錯するとき、血塗られた真実が完成する。