あらすじ
「──罪人セシリア・オルフェン。婚約破棄と、王太子毒殺未遂の罪により、処刑とする」
断頭台の上で、公爵令嬢セシリアは前世の記憶を取り戻した。現代日本で公文書管理課に十年勤めた、記録に誇りを持つアラサーOL『真澄』として。
改ざんされた筆跡。存在しない月に書かれた手紙。私を殺す証拠は、全部でっち上げ。
(記録の改ざんだけは、絶対に許せない)
刃が落ちた瞬間──気づけば処刑の三年前に時が巻き戻っていた。まだ何も奪われていない。婚約も、名誉も、命も。
そして右手に発現したのは、ギフト【水鏡の回廊】。この地に刻まれた"過去の記憶"を、改ざん不可能な"本物"として水面に映し出す力。それは前世で喉から手が出るほど欲しかった、完全記録媒体だった。
「では――記録屋の本気、見せて差し上げましょう」
でっち上げの証拠、隠蔽された真実、そして王家が必死に封じてきた闇。改ざんされた記録を一つ残らず暴き、真実を白日の下に晒す。
消された記録を暴く令嬢と、彼女を護ると誓った涙もろい竜の騎士。二人が最後にたどり着くのは、王国建国にまつわる最大の隠蔽だった──。
(さあ。記録屋の本気、まだまだこれからよ)
爽快な断罪と真実の追及、王家の陰謀を暴く痛快な逆転劇。記録を守る誇りを胸に、平凡なOLだった令嬢が国家の闇に挑む物語、開幕です。