あらすじ
※脚本形式 本編ビューワー 縦組み推奨
◆あらすじ
ヨーロッパの片隅、閑静な住宅街オーゼイユ。
買い物に出かけた女子学生のリサッカは、突如紫に染まった空から降ってきた雨を避け、雨宿りをしていた。
そのとき、通りの奧から次々と悲鳴が挙がってくるのが聞こえる。
恐る恐る見に行ったリサッカが見たものは、太陽のような光を放つ男と、恐慌状態に陥り錯乱する人々。
リサッカの心にも沸々と、得体の知れない嫌悪が浮かび上がってくる。
目の前の男と、あって当然のものである『太陽の光』に対する理不尽な嫌悪。
そこに突然こうもり傘を差した少女ガットが現れた。
ガットは男を前にしても全く動じず、男に傘を向ける。
傘などで何が出来るのか、とガットの正気を疑うリサッカ。
だがガットが剣のように傘で切りつけると、男の片腕がスポンジのように切断。
「『嫌悪』は傘でしか殺せない」
リサッカに語るガットは、男と死闘を開始。
ガットには、『開いた傘で影の中を移動出来る』力があった。
ガットは相手の視界に幾つも死角を作り出し、さらに自身が死角そのものになれるのだ。
男はどこから来るか分からない傘の斬撃に手も足も出ず、絶命。
いつの間にか雨は止み、空も晴れ、大きすぎるほどの虹が出ていた。
気を失いかけたリサッカは、ガットに抱き抱えられている。
そしてリサッカはガットら『傘の少女達』と、『嫌悪』の忌まわしき闘争に、巻き込まれていく。
◆◆登場人物
◆リサッカ・ファロ(16)
「こちとら画家の卵――どんな嫌悪だって、私の表現に生かしてみせるッ!」
ガットに助けられ、ビニール傘を持って戦う画家見習いの金髪残念少女。
乗り越えた嫌悪は、『太陽嫌悪』。開いた<アプロ>傘で光の収束率を操る力を得る。
少々無鉄砲ながら惚れっぽい性格で、ガットのルックに一目惚れ。
その目的は大好きなガットを絵のモデル(ヌード)にしまくること。
◆ガット・ピピストレロ(16)
「帰れ。雨がお前を嫌悪で汚す前に」
大きなこうもり傘で、人を襲う『嫌悪』の怪物と戦うクール系猫目少女。
乗り越えた嫌悪は、『暗所嫌悪』。
閉じた<キューゾ>傘で切り裂いた空間を、他者が視覚的に認識出来なくなる力を持つ。
開いた<アプロ>傘では足下に出来た影と一体化、平面上を自由に移動出来る。
髪型は短髪。獲物を狙う猫のように目つきは鋭いが普段はのんびり屋。
偶然助けたリサッカとは友情を深めていくが、目的には引いている。
組織の男性に恋をしており、それがモチベだが相手にはされていない。
◆ヴィスキオ・ヴェルナルディ(21)
「我々が、雨と共に現れる『嫌悪』に対処する組織であることはガットから聞いてるな」
『傘の少女』を擁する組織『ケントゥリア』の構成員で、ガットらのバックアップを任う青年。
冴えない男を演じているが、『ケントゥリア』の幹部を狙う切れ者である。
ガットにとっては憧れを越えた初恋の相手。しかし本人は興味がない。
◆タルパ・カッチャビーテ(18)
「ちょっと貴方、腰が引けてましてよ。 もっとシャキっとなさい」
フリルで飾りつけられた洋傘で嫌悪と戦う、高飛車貴族少女。乗り越えた嫌悪は『回転嫌悪』。
閉じた<キューゾ>傘を回転させてドリル状にした直接攻撃、地下を掘って移動出来る。
能力は開いた<アプロ>傘でも使用可能だが突進力は低下する。
他人を見下しがちだが、心を許した相手にはとことん惚れ込む性格。
ガットとは長年のライバルで親友なため、リサッカには羨ましがられる。
◆クリザリデ・マンティデ(17)
「労基に相談したい……」
小振りな折りたたみ傘で嫌悪と戦う、無機質弱気陰キャ少女。
乗り越えた嫌悪は、『網翅目嫌悪(ゴキブリやカマキリ)』。
折りたたみ傘は肩・拳・顔面を覆う武装兼コートになるという、特殊なタイプ。
俊敏で、拳の傘部分から出す鎌のような刃を用いて拳法家のように戦う。
無口で表情が固いため、取っつきづらいと思われがちだが気は優しい。
タルパに心酔している。
◆ピアネータ・トーチャ(15)
「せいぜいここまでか――休ませてやるよ、新人ちゃん」
和傘でフォビアと戦う、ボーイッシュ赤髪少女。
『天体嫌悪』を乗り越え、流れ星や星空を司る力を使えるようになった。
閉じた<キューゾ>傘を投擲し、燃えさかる隕石のように落下させる。
開いた<アプロ>傘では自身が赤熱化した傘と共に反転、急降下しながら体当たりする。
人情深いが、力に溺れがちで感情的。