あらすじ

幼稚園に通う湊は、誰よりも優しく、思いやりに満ちた男の子だった。 泣いている子がいれば真っ先に駆け寄り、妹の背中を撫でる手つきも、 友達のケンカを止める声も、夕方の風のように柔らかかった。 ある日、親友の颯太と遊んだ帰り道、湊はふと小さなお寺の門をくぐる。 本堂には、仏の道に入って三十年の住職が静かに座っていた。 「心は水のように澄ませるんだよ」 その一言が湊の胸に深く落ち、湊は仏教に憧れを抱き始める。 颯太のケンカを見て胸がざわついた夜、湊は住職の言葉を思い出し、 小さな手で胸を押さえて深呼吸した。 それが湊の最初の試練だった。心を綺麗にするという、誰にも見えない試練。 お父さんが買ってくれた仏教の本を毎晩開きながら、 湊は少しずつ心の灯りを育てていく。 湊が大きくなるたびに仏の試練は現れ、湊はそのすべてを乗り越えていく。 これは、人の心が帰ってくる“港”のような存在へと成長していく 湊の物語である。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/07/28
  • 現在の作品心の港、湊