あらすじ

十四歳の夏、榛名冬吾は友人の手を凍らせた。 熱を別のエネルギーへ移し替える。それが彼に生えた能力だった。 生み出すのではなく、移すだけ。だから冷やした分しか撃てず、 移すたびにこぼれた二割が、必ず彼の内側に残る。 行き先のない熱を、彼は自分の膝に入れた。次は肺に、その次は心臓に。 そのまま焼け死ぬはずだった彼を拾ったのは、 背丈が胸までしかない、三百年生きた女だった。 「お主に足りぬのは訓練ではない。捨て場所じゃ」 三年後、能力者を管理する調律院が彼を迎えに来る。 放たれた技の名は「炉」。密閉空間の全表面を加熱し、 熱の捨て場所そのものを奪う技だった。 そして、その先で彼は出会う。 熱を運べるが、手放し方を知らない少女に。 彼女の限界は、百度。 頼るほど、彼女は沸点に近づいていく。

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カクヨム
カクヨム2026/07/28
  • 現在の作品この熱の捨て場所を