あらすじ
灰色の森で目を覚ました青年は、自分が何者なのかを思い出せなかった。
覚えているのは、膨大な知識と、頭の奥で時折響く謎の声だけ。
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辺境の村「灰辺」で"アッシュ"という名を与えられた青年は、剣も魔法も人並み以下だった。
魔物は恐ろしく、一匹倒すにも命を懸ける。
昨日まで隣にいた仲間が、明日にはいなくなる。
そんな世界で、彼にできることは一つしかなかった。
**記録すること。**
魔物の足跡。
薬草の効能。
天候の変化。
地図。
人々の暮らし。
誰も気にも留めなかった小さな知識を、一冊の記録帳へ書き残していく。
やがて、その記録は仲間を救い、村を変え、国を動かし、失われた文明の真実へとつながっていく。
これは、最強の英雄が世界を救う物語ではない。
一冊の記録が、人から人へ受け継がれ、やがて文明そのものを育てていく物語である。