あらすじ

そこは善と悪が唯一、平和協定を結んでいる不戦の聖域。人呼んで「始まりの園」。 その酒場に、魔族の王であるヘレルはいた。神が沈黙した地上で、彼が奈落から這い出してきた目的。それは、人間の「祈り」を叶える取引のため。他人の富を奪いたいという堕落した願いから、病の母親を救いたいという無垢な真心まで、彼は善悪のフィルターにかけず、等しく聞き届ける。 ――ただし、悪魔の流儀で、あえてその願いを『曲解』しながら。「悪魔との取引とは、こういうものさ」と冷酷に嗤うヘレル。 そんな彼を、天界の執行官であり元親友の天上人・ミケルは、直接介入できない規律の中で、ただ静かに、しかしどこまでも優しく見守っていた。 これは、傲岸不遜な魔王が、人間たちの歪で美しい生き様と、決して自分を見捨てない元親友の眼差しに触れ、少しずつ「何か」を変えていく。

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カクヨム
カクヨム2026/07/28
  • 現在の作品悪魔の矜持