あらすじ
■あらすじ(3幕構成)
【第1幕:数字の英雄】
主人公・真田遼介(36)は財務省主計局の俊英。
「増税こそ国家を守る唯一の道」と信じ、消費税再増税と社会保険負担引き上げの設計で政権に重用される。
その見返りは、退官後の大型外郭団体理事ポスト。いわゆる天下りの約束だった。
メディアは彼を「財政再建の切り札」と称賛。だが地方では店が閉まり、子ども食堂の列が伸びる。
【第2幕:地獄の請求書】
真田の政策は短期的な税収を伸ばす一方、実体経済を急速に冷やす。
シングルマザーの破産、介護離職の急増、研究者流出、連鎖倒産。
さらに真田は、税制優遇と補助金配分を使った政官財の交換条件を知る。
決定打は、かつて自分を育てた恩師が「生活苦の末に治療を断念して死亡」したこと。
真田は初めて「自分の正義が人を殺した」事実を直視する。
省内の改ざん資料、天下り斡旋リスト、非公開会議録を密かに収集し始める。
【第3幕:解体の起案】
真田は若手議員・木崎、調査報道記者・野上、国税OBの協力を得て反撃へ。
内部告発は握り潰され、監察は機能せず、彼自身も背任容疑で追い込まれる。
それでも公開ヒアリングで、天下り斡旋と重税設計の因果を数値で証明。
世論は爆発し、内閣は崩壊。総選挙後、行政再編特別法が成立する。
財務省は「歳入庁」「財政戦略庁」「会計監査院強化部門」に分割再編。
ラスト、真田は約束されていた天下り先を拒否し、地方税制の現場へ降る。
栄達ではなく責任を選ぶ、その一歩で幕を閉じる。