あらすじ
夏休み、私はその人と出会った。
まるで幽霊のように佇んでいたあなたに然程興味などなかった。
むしろ、目の隠れるような長い前髪なんかで作られた暗い印象は何となく近寄り難い。
それでも私が「先生」という響きに切実な想いを込めて呼ぶようになったのは。
それでも私が泣いたのは。
全部全部、先生と過ごすその日一日一日が今、私の胸を焦がすくらいに大切になってしまったせい。
だからこそ、
────出会わなければよかった。
なんて。
そんな寂しくて、世界で一番残酷なこと、思えるはずもない。
それくらい幸せでした。
だからこそ、私は今ここに、過去を大切に思い出として供養します。