あらすじ

海辺の町で絵を描きながら、静かに暮らしていた男。 彼の個展に現れた彼女は、灰色の絵を前に「赤が足りない」と言い、自らの血で小さな色を置いた。 よく笑い、よくしゃべり、激しく生きる彼女に惹かれた男は、やがて同じ部屋で暮らし始める。だが彼女は、夜になると酒場へ出て、見知らぬ男たちに体を売った。傷つき、荒れ、何度も自分を壊しながら、彼女は男に怒りと罰を求める。 それでも男は、彼女を責めなかった。 ほどけたブーツの紐を結び、湯を沸かし、泣き疲れた体を抱きとめる。彼女が夜へ出ていくたびに、「帰っておいで」と言い、暗い部屋で呼吸を数えながら待ち続けた。 しかし、彼女の中で燃え続ける火は、愛だけでは消せなかった。心は少しずつ現実から離れ、男もまた、彼女を支える日々のなかで自分の色を失っていく。 赤と青が混ざり、二度と元の色へ戻れなくなったとき、それでも男は彼女を手放せない。 これは、救うことのできない女と、救えないと知りながら待ち続けた男の、静かで激しい愛の物語。

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カクヨム
カクヨム2026/07/28
  • 現在の作品彼女は夜へ、僕は待つ ~破滅だと知っていた。けれど愛してしまった~