あらすじ
都内のIT企業に勤める坂口さんは、至って理性的で現実主義な男性。
ある時期から、彼の日常にほんの小さな「違和感」が紛れ込むようになる。
消したはずのスタンドライト。
冷蔵庫の中の買った覚えのない缶コーヒー。
見覚えのないレシート。
そして、クローゼットの奥に掛けられた着たこともない一着の黒いチェスターコート。
「疲れているのだろう」「無意識の行動だろう」と自分を納得させていた坂口さんだったが、友人から「先週、吉祥寺で女性と歩いていただろ」と写真を見せられたことで状況は一変する。
そこに写っていたのは、あのコートを着て、自分と全く同じ姿をした男だった。
自身の狂気を疑い、真相を確かめるべく部屋に防犯カメラを設置した。
深夜、カメラのアプリが動作検知を知らせる。
そこに映し出されたのは、鍵を開けて自分の部屋へ「帰ってきた」、自分と寸分違わぬ男の姿だった。
追い詰められた坂口さんが辿り着いた、あまりにも恐ろしい「もう一つの可能性」とは。