あらすじ
生まれたあと、その家の人たちに絶賛冷遇されている。童話みたいに。
「きゃあっ」
転ばされた影響で膝を擦りむいた。普通に痛い。頭も打った。それから数分、放置されたらしく気付いても廊下に俯いて気絶している体勢だった。
どうやら誰も、助け起こす事はしなかったよう。気絶している間に、重要なことを思い出していた。
「あの時、書類が落ちて拾おうとして足を滑らせた……!」
そのまま下へ真っ逆さま。文字通り下位互換のこの世界に生まれ落ちた。
はぁ、研修で安全糸を必ずつけるように言われていたのに、日々の気の緩みのせいで付けるのをド忘れしていたのだ。結果、つるりと滑った。
糸さえ付けていれば落ちても引き上げてもらえるなり、なんなりしたのに。上位の世界で魂の管理をする為に、日々働いていたことをきっちり覚えている。
この体も、ティファの意識も元から変わらなかった。今までこの記憶がなかったのはおそらく、落ちた衝撃のせいだ。迂闊だったとしか言えない。