あらすじ
「お前は無能だ。今日限りで婚約は破棄する。」
侯爵家に生まれながら"無能な魔法令嬢"と蔑まれ、婚約者にも義母にも虐げられてきたセレスティア。ついには聖女候補の令嬢へ婚約者を奪われ、屋敷から追放されてしまう。
しかし、誰も知らなかった。
侯爵家を何十年も守り続けてきた巨大結界は、幼い頃からセレスティアが一人で魔力を供給し、密かに維持していたものだったのだ。
彼女が去った瞬間、結界は崩壊を始め、領地は魔物の脅威にさらされ、魔道具は次々と停止。侯爵家は原因も分からぬまま没落への坂を転げ落ちていく。
一方、行き倒れていたセレスティアを助けたのは、冷徹と名高いヴァイス公爵。
「君の魔法理論は、この国の常識を覆す。」
彼だけは彼女の才能を見抜き、その知識と圧倒的な魔力を正しく評価した。
公爵家で本当の居場所を得たセレスティアは、古代魔法を次々と蘇らせ、王宮魔導師団すら解けなかった結界魔法を完成させる。
やがて王国最高の大魔導師として迎えられ、公爵様からは惜しみない愛を注がれる毎日。
そんな頃になってようやく、元婚約者たちは気付く。
『無能』だったのではない。
侯爵家を、そして自分たちを支えていたのは、ずっと彼女一人だったのだと――。
「戻ってきてくれ。」
「君がいなければ何もできない。」
……今さら遅すぎます。
私はもう、あなたたちのために魔法を使うことはありません。
これは、すべてを奪われた魔法令嬢が、自分を信じてくれた最強の公爵様と幸せを掴み、彼女を失った者たちが後悔と絶望に沈んでいく、痛快ざまぁファンタジー。