あらすじ
「この音が、お前の値段だ」
泥水すする孤児から、音楽の最高峰・グランヴェル伯爵家の令嬢へと拾い上げられた少女、コレット。
彼女に血統や財産はない。あるのは、夜通し指を血に染めて掴み取った、寸分狂わぬ「完璧な機械の音」だけ。
居場所を守るため、すべてを偽り、実子の妹・リュミエールをも利用する『優しいお姉様』を演じ続けるコレットだったが、音楽学院で神に愛された本物の天才ジュリエットと出会い、その残酷な一言にプライドを打ち砕かれる。
「貴女のヴァイオリン、つまらないわね」
価値を失い、再び泥の底へ落ちる恐怖に震えるコレット。しかしその時、打算で騙していたはずの妹が、天才の前に立ちはだかり————!?