あらすじ
昭和五十八年、北海道の片田舎の港町に、突然現れた異世界への入り口――ダンジョン。
現実の物理法則を無視したその深淵では、銃火器も通じない怪物たちが跋扈し、人類は自衛隊の力をもってしても苦戦を強いられていた。
そんなある日、ダンジョンとは無縁の八歳の少年・トオルが、突然深い階層に飲み込まれてしまう。
普通なら即死するはずの場所で、少年の前に現れたのは、意志を持った超魔導兵器――杖。
「杖くん」と名付けられたその存在は、トオルの魂に眠る桁外れの魔法の才能を見出し、封印を自ら解いた。
こうして、人類史上最大最高最強の魔法使いが誕生した。
召喚魔法で特撮やアニメのヒーローを呼び出し、無限の知識で魔法を編み出し、ダンジョンの深層を一人で踏破する少年。
彼が持ち帰る鉱石や食材、魔導書は、昭和の日本と世界を静かに、しかし確実に変え始めていく。
一方で、千階を超えた先には神々が待ち受け、クトゥルフの影が這い寄り、異世界の魔王たちが次元の壁を越えて侵攻してくる。
それでもトオルは、ただ「みんなが笑顔でいられるように」と願い、戦い続ける。
杖くんと共に、召喚された英雄たちと共に、時には孤独に、時には仲間と肩を並べて。
家族に会えるその日まで――。一人の少年の優しさが、世界の命運を揺るがす、壮大な魔導冒険譚。