あらすじ
世界有数の治安を誇る国、日本。
年間三千万人を超える観光客が訪れ、世界中の企業が投資し、外交官や研究者が集まるこの国は、「平和な島国」と呼ばれている。
しかし、その静けさを最も歓迎しているのは、日本人ではない。
世界各国の情報機関だった。
CIA、SVR、GRU、MSS、モサド、MI6、DGSE──。
彼らが狙うのは軍事機密だけではない。
大学、研究所、企業、港湾、半導体、AI、宇宙開発、そして人脈。
諜報戦とは、爆発も銃撃もない戦争。
相手に気付かれないことこそ、最大の勝利である。
本作は2023年の日本を舞台に、30か国の情報機関をそれぞれ三話構成で描く連作スパイ・サスペンス。
各章では実際に知られている情報機関の役割や公開情報を参考にしながら、フィクションとして再構成した事件を通じて、「静かな戦場」としての日本を描く。
各話末には2023年当時の日本・世界のニュース、さらに巻末には情報機関の設立、任務、組織規模などをまとめたコラムを掲載。
これはスパイ小説である。
そして、日本という国をもう一度見つめ直す物語でもある。