あらすじ
20年前に突如、全世界に発生したダンジョンは長い年月の末に人間の生活の中に組み込まれ、ダンジョンの中で配信をするに至った。
街中にはダンジョン探索用の武器、防具を携えた老若男女が溢れ、ダンジョン配信でバズることを誰もが夢見るような時代になった。
2026年、令和8年の春。
今年で15歳になる男子高校生、諏訪野 拓海は生まれ育ったド田舎もド田舎の村から離れ、東京へ上京することになった。
ケミカルなハンバーガー、牛の糞の臭いがしない道、キラキラビカビカ光る町並み、午後六時になっても閉店しない店。
拓海はそういった「都会に住む普通の高校生の普通の生活」というものに憧れを抱いて上京することになる。
なるのだが、一つ二つ、彼には問題がある。
一つ、彼はまったくもって現代社会というものを知らない。携帯電話の知識はガラケーで止まっているし、実家には現役の黒電話があるし、彼のおじいちゃんなんて携帯電話すら持っていなかった。
二つ、彼は失伝したはずの【信濃新陰流】の最後の使い手であり、平たく言えば人斬りの才能に溢れた少年であったということ。
平和な普通の生活を望む人斬り高校生は望まずに欲望渦巻くダンジョン配信の渦中へと放り込まれ、
そうして失われるはずであった人斬りの才能が存分に開花することになってしまう。
一度抜けば人が死ぬまで収められぬ、血塗れの刃。業の技と言えば聞こえはいいが、つまるところは殺しの技術。
ダンジョン配信の流行るようなこの現代で人斬り、ですかぁ?
とどのつまり、これはそういう物語。