あらすじ
高校二年生の藤崎美緒がサッカーを始めたきっかけは、姉の恋人・瀬川蓮だった。
高校時代、サッカー部のエースだった蓮は、いつも自信に満ちていた。
「俺は絶対、プロになる」
その言葉に憧れ、美緒も女子サッカー部で全国大会を目指している。
しかし大学へ進学した蓮は、周囲との実力差や怪我に苦しみ、次第にサッカーから離れてしまう。夢を語らなくなり、姉との関係まで冷え始めた彼は、美緒が憧れていた頃とは別人のようだった。
ある夜、美緒は蓮から譲り受けた古いスパイクに問いかける。
「どうして、こんなふうになっちゃったの?」
その瞬間、美緒の前に現れたのは、プロになる夢を信じていた高校生の蓮だった。
彼は美緒以外には見えず、美緒から離れることもできない。さらに、美緒の身体へ憑依し、サッカーの技術を使えることが分かる。
夢を諦めた現在の蓮を立ち直らせるため、二人は動き始める。
だが、少年と過ごす時間が増えるほど、美緒は気づいてしまう。
幼い頃から抱いていた思いは、憧れではなく恋だったことに。
そして少年の心には、今も姉がいることに。
夢を失った青年と、夢だけを抱いて現れた少年。
叶わない初恋を抱えた少女が、自分自身の未来を選ぶ青春サッカーファンタジー。