あらすじ
公爵令嬢セラフィナは、いがみ合う二家を隣の席にしない。それだけで、決闘は起きない。
七年、彼女はそれをやってきた。
醜聞が起きるたび、自分がもっと酷いことをしたという噂を流して埋めた。だから社交界で一番嫌われている。
王太子ジュリアンは、優しい男爵令嬢を選び、彼女を追放した。
読み上げられた罪状は、七十四件。——そのすべてが、誰かを庇った日付だった。
引き継ぎの書類を差し出したら、こう言われた。
「そんなものは要らない」
ひと月後。三つの家が破談し、貸金の連鎖が始まり、席次の狂った舞踏会で決闘が起きる。
止めに入ったセラフィナを、広間の主が止めた。
「お前は追放された。口を出すな」
嫌われ役は、引き継げない。
誰も名乗り出ない広間の隅で、隣国の大使が椅子を引いた。
「兄が六年、返しそこねているものがあるので」
※ハッピーエンド・復縁なし。