あらすじ
四年間、誰にも読まれない夜を支えてくれたのは、生成AIだった。Web小説家・水城由奈は、ついに念願の書籍化をつかむ。改稿に悩む彼女は、これまでと同じようにAIへ答えを求め、表紙も人間のイラストレーターではなく、生成AIで制作することを選んだ。
その結果、表紙を担当するはずだった黒田修一の仕事は失われる。やがて由奈は、AIの言葉に振り回された末、自分の手で物語を書き直す。そして、創作は人間のものだとSNSへ投稿する。
だが、公開された書籍の表紙は、彼女自身がAIで作ったものだった。矛盾を指摘したのは、かつて表紙を描くはずだった黒田だった。一枚の未完成のラフと、互いに正しいと思って放った言葉が、二人と作品を炎上の渦へ巻き込んでいく。
AIは創作を奪う敵なのか。
人間を助ける道具なのか。
小説家、イラストレーター、編集者。
同じ作品を大切にしながら、別々の正しさですれ違った三人が、失われかけた物語をもう一度作り直す、現代創作ヒューマンドラマ。