あらすじ

綾辻遥華は、三日続けて同じ笑い方をしていた。 学校一の美少女で、いつも人に囲まれている。誰も気づかない。気づいたのは、教室のいちばん後ろの席にいる三枝透だけだった。 透は「大丈夫か」とは聞かなかった。用事を作って資料室へ呼び出し、鍵を渡して、それだけ言って行った。 「鍵は閉めなくていい」 誰も来ない部屋と、四十五分。 翌日、遥華は告白しようとした。 だが透には、中学で罰ゲームの告白を本気にして笑い者になった過去がある。最後まで言わせたら、恥をかくのはこの子のほうだ。 だから先に終わらせた。 「答えはもう決まってる」 断ったつもりは、一度もなかった。 遥華はそれを「断られた」と受け取り、そして気づいてしまう。 「……聞かなければ、まだ終わらない」 それから半年。毎朝の挨拶も、二つ持ってくる弁当も、駅までの帰り道も、遥華は全部渡し続ける。好きの一言だけを、渡せないまま。 「明日も、お昼、行っていい?」 透にはそれが分からない。 「なんで綾辻は、俺なんかに構うんだ」 そして夜、遥華は一人で泣く。今日も言えなかった、と数えながら。

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カクヨム
カクヨム2026/07/27
  • 現在の作品告白されかけたモブの俺が「答えはもう決まってる」とだけ言って話を終わらせたら、その答えを聞くのが怖くなった学校一の美少女が、半年もクラスで言い出せないまま夜だけ泣くようになった