あらすじ
静寂が支配するインティ・ワカの大樹海。
幾千年の時を重ねた巨木の木漏れ日の中で、母と息子は慎ましく、けれど何よりも豊かな時間を紡いでいた。
言葉は多くを必要としない。
朝の光が挿し込む食卓の温もり。
背中に触れる、大きく柔らかな手の掌。
そこにあるのは、ただ深く、偽りのない真実の愛情だけだった。
「どこへ行っても、あなたは私の誇りよ」
言葉にならぬ想いを胸に、母は少年の小さな背中を見送り——少年は未知なる人間社会へと踏み出す。
これは、苛烈な運命の渦中にあっても揺らぐことのない、ある親子の絆を描いた愛と成長の物語。
言葉を失った世界で、母は今日もただ、静かに息子を抱きしめる。