あらすじ
魔法を使うには、紋章がいる。
紋を持たぬ「持たざる者」は、火の一つも灯せない——それが、この世界の掟だった。
聖都の下働きの孤児ミラは、その持たざる者だった。
誰からも見られず、何も持たず、ただ静かに生きてきた。
けれど聖石が穢された夜、
死者の手から身を守ろうと伸ばしたその白い手から、
あってはならぬ光が生まれてしまう。
紋なき娘の魔法は、世界の秩序そのものへの反逆だった。
教会は彼女を「怪物」と呼び、虐げられた者たちは「無紋の魔女」と囁く。
そして——最初に真実へ辿り着いた男だけが、彼女を見て、静かに問うた。「お前は……誰だ」と。
七つの王国。四つの世界。封じられた大いなる秘密。
持たざる少女の物語が、いま、始まる。