あらすじ

恋塚遊には、恋愛ゲームしか教科書がなかった。 だから世界のすべてを、その文法で読む。 曲がり角の衝突も、雨の日の傘も、机に入っていた手紙も。 「——来たな、イベント。」 本人は、自分がハーレムラブコメの主人公だと本気で信じている。 そのうち攻略対象が増える。最終的に誰かを選ぶ。そういう話だと思っている。 読者だけが知っている。この男、一度もモテたことがない。 そして。 たった一人だけ、イベントとして処理できない女の子が目の前にいることにも——本人だけが、気づいていない。 【登場人物】 恋塚 遊(こいづか ゆう)……高校二年。恋愛ゲーム攻略Wikiの管理人。他人の感情を読むことにかけては異常に鋭く、困っている人間を頼まれる前に助けてしまう。ただし自分に向けられた好意だけは、まったく見えない。ゲームの主人公視点では、好感度の数値は表示されないからだ——と、本人は言う。 一人暮らし。施設育ち。口癖は「来たな、イベント。」 柊 冬華(ひいらぎ とうか) ……高校二年。誰とも群れない。表情が動かない。人を信用していない。 遊にだけは、自分でも理由の分からない反応をしてしまう。髪を切る。声が高くなる。目で探す。全部、無意識。本人だけが理由を知らない。 遊のことは、最後まで「あんた」と呼ぶ。 安西 ソウタ ……遊の唯一の友人。この物語で唯一まともなことを言う男。遊が「イベント」と言うたび、その正体を当てる遊びを覚えてしまった。的中率は上がり続けている。 佐々木 ひなた ……美術部。第3話で遊に告白する。 夏目 あかり ……第5話の最後に現れる少女。遊がまだ施設に入る前の——遊自身も忘れかけている時間を、知っている。 【この作品の読み方】 読者は、いつも主人公より一歩先に気づきます。 髪型が変わったこと。声が少し高いこと。距離が半歩近いこと。 全部、主人公だけが気づきません。もどかしくて、笑ってください。 カドコミ漫画原作コンテスト応募作品のため、脚本形式

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カクヨム
カクヨム2026/07/27
  • 現在の作品その恋、イベントじゃありません。