あらすじ

この終わりこそが、私たちが本当に始まるための唯一の救いだった――。 王都で誰もが羨む「理想の夫婦」。 古代魔導具を修復する夫アルト。 花々を育て、香りを紡ぐ妻エレナ。 互いを尊重し、支え合ってきた十二年間。 穏やかで幸せに見える二人の暮らしには、誰にも見えない空白があった。 愛しているからこそ、嫌われることが怖かった。 大切だからこそ、本音をぶつけることが怖かった。 いつしか二人は、「優しい夫」と「完璧な妻」という役割を身にまとい、傷つかないための平穏を守り続けていた。 そして十二年目のある夜。 アルトは、自ら守り続けてきた穏やかな日常を壊す。 それは、終わりを告げるためではない。 もう一度、一人の男と一人の女として、本当の相手と向き合うためだった。 怒り、嫉妬、後悔、恐怖。 閉ざしていた心の奥を曝け出した先で、二人が見つめるものとは。 これは、壊れた夫婦が過去へ戻る物語ではない。 傷つき、迷い、それでも互いを選び直していく物語。 「分からない」という答えから始まる、十二年目の夫婦のスタートライン。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/07/27
  • 現在の作品結婚十二年目 〜理想の夫婦はもうやめます〜