あらすじ
フェリシオンの派遣型冒険者企業・FPC。新人講習で出会った同期の男は、自己紹介で堂々と下ネタを豪語し、実技試験ではひと際独特な嗚咽をあげて泣いた。誰が呼んだか、いつの間にか付いたあだ名は「愚王」。もちろん本人は、そんな渾名がついていることなど、知る由もない。
資産家育ちで甘やかされ、思考は常に短絡的。仕事はろくにできないのに上司には妙に好かれ、女性社員からの評判もなぜか良い。合コンをセッティングしては空回り、社交酒場の女に貢いでは音信不通にされ、実家では母親を「ママ」と呼んで指摘されると半泣きになる。都合が悪くなればすぐに「ぐお”お”お”お”ぉぉーー」と泣き崩れる――そんな男に、同期のカインは、なぜか腐れ縁のように振り回され続けることになる。
「二度と誘わない」と言った翌月には、けろりと忘れてまた誘ってくる。会社を辞めても、結婚しても、不倫が社内でバレて左遷されても、なぜか悪運だけは強く、飄々と生き延びていく愚王。
振り回される側の視点で描く、下品でテンポの良い群像コメディ。
カインは、この男と、この先何年付き合っていくことになるのか。
※カクヨム様でも同時掲載しています。