あらすじ

太田が寄生された。体育の授業中、連れションしようと校庭脇の林へ入ったことが原因だった。 夏の日差しを遮る木々の下は薄暗く、湿った土の匂いが漂っていた。 ジャージをずり下ろし、小便の最中だった。木の枝から頭の上に落ちてきたトリモロスが、額を滑り下り、そのまま鼻の穴に潜り込んだという。 太田は悲鳴にもならない声を上げ、ジャージのズボンを慌てて引き上げると、転がるような勢いで校庭へ戻った。 ちょうどその虫体が鼻の奥へ吸い込まれていく瞬間を大勢の生徒に目撃されてしまったことも不運だった。もし誰にも見られていなければ、表面上はこれまでと変わらない日常を送れていたのかもしれないのに。 もっとも、寄生されたという事実そのものが変わるわけではないのだが。

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小説を読もう2026/07/27
  • 現在の作品太田が寄生された :約4500文字