あらすじ
七年間付き合った恋人との別れと、退職。
二十八歳の宮原紅葉は、長く思い描いていた未来を一度に失い、新しい職場で働き始める。
慣れない仕事の中で出会ったのは、肩の力が抜けて見えるのに、必要なところでは決して外さない高瀬一歩。
そして夜になれば、数年前から続けているオンラインゲームの中に、気を許せるフレンド・kzがいる。
現実ではまだ知り合ったばかりの人。
顔も本名も知らないまま、長い時間を重ねてきた人。
仕事と日常、ゲームの中で交わす何気ない言葉。
その積み重ねの中で、止まっていた紅葉の時間が、少しずつ動き始める。
なくした未来のあとで、もう一度、人を信じるまでの物語。