あらすじ

五十一歳、職なし、友人なし。 部屋に沈み込むように存在し、光の中では影すら薄い。 世界のほうが彼を忘れようとしている――そんな男が久遠(くおん) だが、夜になると別の姿を持つ。 存在感のなさは、ただの欠落ではない。 人の視界からこぼれ落ち、気配を消し、影に紛れるその体質は、闇の中では“武器”になる。 依頼を受けて潜入し、静かに仕事を終える。 夜の久遠には“見つからない”という絶対の強みがあった。 その夜の顔を支えるのが、人格を持つAI――アズラ。 昼は久遠を叩き起こし、怠惰を刺すように責め立てるドS。 しかし夜になると、彼女は冷静で、正確で、頼れる相棒へと変わる。 ネットの裏側から依頼を拾い上げ、復讐に値すると判断した案件だけを久遠へ渡す。 昼は世界に拒絶される男。 夜は影に受け入れられる男。 その二つの顔の間で、久遠は今日も生きている。 闇夜のおしごとは、静かに始まる。

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小説を読もう2026/07/27
  • 現在の作品闇夜のおしごと 短編