あらすじ
会社の同期4人――北斗、啓太、裕太郎、誠は、誠が突然「キャンプ場を作る」と言い出し、奈良と和歌山の県境にある山奥の土地を購入したことから物語が動き出す。
誠が持ってきた古地図には鉱山を示す記号があり、レインボーガーネットの夢を膨らませた4人はゴールデンウィークにその土地を訪れる。
現地の入り口には古びたしめ縄が張られていたが、誰もそれが「結界」だと気づかないまま、啓太がナイフで切ってしまう。
たどり着いた山奥はかつて銀と鉛の採掘で栄えた村の跡地だった。
しかしこの村では原因不明の病人が続出し、当時は山の神の祟りとされ生贄まで捧げられたが、真相は井戸水に混入した鉛による中毒死だった。
村は「呪われた村」として廃村になっていた。
キャンプを始めた4人は、次第に奇妙な現象に見舞われる。
鈴の音、つるはしを打つような音、正体不明の足音。啓太と裕太郎は耳鳴りと耳からの出血に苦しみ、意識を失ったように坑道の前で土を掘り返す啓太の姿を北斗は目撃する。
誠が調べた伝承によれば、しめ縄は山の神ではなく、無念のうちに死んだ村人たちの「恨みの声」を封じるための結界であり、それを解いてしまったのは自分たちだった。
車のエンジンが原因不明の理由でかからなくなるなど、山から逃げられない状況の中、石碑には「音を聞く者は山の贄となる」という言葉が刻まれていたことが判明する。
窮地に立たされた北斗と誠の前に謎の老婆が現れ、鈴の音だけが村人たちの魂を鎮められると告げ、鈴を託して姿を消す。
北斗と誠は一晩中鈴を鳴らし続け、荒れ狂っていた気配は次第に静まっていく。夜が明けると啓太と裕太郎の容態も回復し、4人は逃げるように下山、日常へと帰っていく。
数ヶ月後、啓太と裕太郎はあの数日間の記憶をほとんど失っているが、北斗だけは今も時折、耳の奥で小さな鈴の音を聞く。
それが幻聴なのか、まだ山に何かが残っているのか――彼にはわからないまま、物語は静かな余韻を残して幕を閉じる。