あらすじ
私の初恋は、世界が「悪」と呼ぶ少女だった。
奴隷商の檻の中。泣いてばかりだった私に、生きる理由をくれた少女がいた。
あの日から十年。
伯爵家の養女となり騎士になったリシェは、討伐した山賊団の頭領として、彼女と再会する。
「私が泥水を飲んでる間、あなたは温かい食事をしてた」
優しかった彼女は、人を殺め、法を捨て、世界から"悪"と呼ばれる存在になっていた。
それでも世界中が彼女を憎んでも、私は彼女を憎めない。
彼女の過去を知りたい。
傷だらけになった理由を知りたい。
そしてもう一度、その手を取りたい。
これは、敵同士として再会した二人の少女が、失われた十年を取り戻していく物語。
たとえ、その恋が世界に赦されなくても。