あらすじ

狂ったような蝉時雨のなか、私は現実から逃げ出していた。 不登校になって三ヶ月の如月渚(キサラギ ナギサ)。 親戚の視線に耐えかねて逃げ込んだ古い神社で、私は「彼」に出会った。 真夏だというのに黒い学ランとマントをまとい、人間離れした美貌を持つ少年・夏目。 学帽の影から覗く瞳は、夏の海を閉じ込めたように青かった。 「この夏休みの終わりまでに、俺の本当の正体を暴いてみてよ。 お前が勝ったら、何でも一つ、願いを叶えてあげる」 現実を消し去りたかった私は、その奇妙なゲームに乗ることにした。 足跡のつかない白い砂浜、不意に風にさらわれて露わになった金髪、二人きりで見た幻の夏祭り。 夢と現実の境界が溶けていく日々のなかで、私は彼が隠し持つ「戦時中の悲劇」の記憶に触れていく。 ――なぜ彼は自分を黒で塗りつぶしたのか? 夏休みの最果て、彼が最後に耳打ちした本当の名前を知ったとき、孤独な少女は未来を生きるための「夢」を見つける。 ひと夏の切なくも美しい、幻想ジュブナイル。

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カクヨム
カクヨム2026/07/26
  • 現在の作品神隠しをもう一度!!