あらすじ
戦争は終わらない。
魔法と剣が支配する世界では、異世界から転生した者たちが国家を興し、英雄となり、世界の均衡を書き換えていた。
そんな時代に、一人だけ転生者ではない英雄がいる。
名はノア。
世界最強と恐れられながら、どこの国にも属さず、依頼だけを受けて戦場を渡り歩く傭兵。
彼が力を解放すると、胸から全身へ赤い斑紋が広がる。
その姿は味方には希望の象徴として映り、敵には死を告げる災厄として恐れられた。
しかし、その力は身体を蝕み、英雄自身を少しずつ壊していく。
さらに、ある日手にした能力は、一度だけ他者の力を使える代わりに、自分の大切な記憶を奪っていくものだった。
人を救うたび、戦う理由を忘れていく英雄。
それでもノアは剣を捨てない。
英雄は何のために戦うのか。
国家とは何か。
平和になった世界に、英雄は必要なのか。
これは、多くを壊し、多くを救った一人の英雄が、世界から最も必要とされ、そして最も不要とされた、その生涯を描く戦記ファンタジー。