あらすじ
王紋が光らず、第五王子レオンは「無能」と判定され、王位継承権を剥奪された。
――そして本人だけは、心の底から喜んでいた。
前世の記憶を持つレオンの望みは、兄弟で争う王位継承戦から離れ、静かに暮らすこと。褒賞として王国で最も貧しいセレナ辺境領を選んだのも、誰も欲しがらない土地なら争いも仕事も少ないと思ったからだった。
ところが、辺境で待っていたのは、飢える領民、食料を隠す腐敗代官、給料の支払われない兵士、人間と亜人の対立、そして王都から差し向けられた暗殺者だった。
レオンには、敵を圧倒する魔法も、領地を一夜で豊かにする万能な知識もない。
彼にできるのは、人の話を聞き、誰にも認められなかった才能を見つけ、その人物が力を発揮できる役割を与えることだけ。
無能の証とされた《無色の王紋》も、やがて人と人の力をつなぐ《連星の王紋》として目覚めていく。
落ちこぼれの雑用係、国を追われた元敵将、信用を失った商人、犯罪者と呼ばれた亜人、異端扱いされた魔法研究者。
レオンが彼らに居場所と役割を与えるたび、辺境は再建され、救われた人々が集まり、本人の意思に反して名声と支持者が増えていく。
「俺は王になりたくない」
そう否定すればするほど、王位の方から近づいてくる。
王になりたくない第五王子が、見捨てられた人々と共に領地と国を立て直していく、勘違いコメディー入り王道領地再建ファンタジー。