あらすじ

「君を妻として扱うつもりはない。家のことは、任せる」 初夜にそう言い渡された伯爵夫人エステル。泣いても数字は変わらない。けれど、書けば数字は残る。 だから彼女は三年間、ただ帳簿をつけ続けた。一銭も違わず、宛先の通りに。愛人へのドレス代も、視察記録のない十七泊も、毎月一日の花代・金貨一枚も。 そして三年目の春。夫は婚姻無効を申し立てるため、王室財務院の監察官を連れて帰ってくる——家政の乱れを、妻のせいにするために。 「三年分、ございます」 磨き上げた台車に、帳簿十二冊。告発しない、騒がない。ただ事実を並べるだけの、静かな清算が始まる。

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小説を読もう2026/07/26
  • 現在の作品「家のことは任せる」と白い結婚を言い渡されたので、お言葉に甘えて三年間、一銭も違わず帳簿をつけました