あらすじ
【悲報】世界の命運を賭けた最終決戦、ドアの建つけが悪くて始まらない。
魔王城最深部、大魔王の間――。 勇者アルスと魔導将軍ゼノビアが互いの首を狙い、殺気を飛散させていた。
……はずだった。
「――で? これ、どうすんの」
「……知らん」
まさかの「ドアが物理的に開かない」というクソみたいな理由で、決戦は中断。 押しても引いても動かない巨門を前に途方に暮れる両陣営のもとへ、重い工具箱を担いだ金髪のエルフが現れる。
「ギルドから『緊急の建具修理』って聞いて来たんですけど」
現れたのはベテラン大工のエルフ・エルウィン。 彼は勇者に聖剣でドアを持ち上げさせ、魔導将軍に風魔法でチリを払わせながら、手際よくノミを振るい――そして、恐ろしい「黒歴史」を語り始めた。
「この城建てた時にも言ったんだよ。……あ、現場監督の『ヴェルちゃん』って子、覚えてる?」
扉の向こうで震え上がる大魔王。暴露される黒歴史。 一体誰が、どんな顔してこのあと戦えばいいのか!?
現場のプロと、気まずすぎる勇者と、恥ずかしさで爆発寸前の大魔王が織りなす、ファンタジーコメディ!