あらすじ
文具メーカーで働く柏原雅紀は、新商品のPRを依頼した外部会社との打ち合わせで、思いがけない人物と再会する。
担当者として現れた西沢俊弥は、八年前、大学の講義で筆記用具を忘れた雅紀に一本のペンを貸してくれた人だった。
「あとで返してくれたらいいし」
そう言われたのに、雅紀は名前すら聞けないまま、ペンを返せずに大学を卒業した。
ほんの短い会話しか交わしていない。
それでも、自然に差し出されたペンと、柔らかな笑顔を忘れることはできなかった。
八年ぶりに会った西沢は、少し大人びていたものの、昔と変わらず爽やかで人当たりがよく、仕事もできる。
仕事のパートナーとして顔を合わせるうちに、西沢は何気ない言葉と距離の近さで、雅紀の心に再び入り込んでくる。
けれど雅紀は、借りたままのペンのことも、八年間胸の奥に残り続けた気持ちも、なかなか打ち明けられない。
返したいのは、一本のペン。
それとも、あの日から止まったままの想いなのか。
無自覚人たらしな外部PR会社営業×こじらせ文具メーカー営業。
一本のペンから始まり、八年越しに動き出す社会人再会BL。
※アルファポリスに掲載した内容を、加筆修正して転載しています