あらすじ
三十二年間、私は「普通」で在ろうとした。
親に言われた通りの学校に行き、親が選んだ男と婚約し、親が喜ぶ結婚式を夢見た。
なのに、婚約破棄。
理由は「もっとふさわしい人が現れたから」。
泣いて、泣いて、泣きつくして。
ふと作った深夜の卵かけご飯が、金色に光った。
……え、何これ。
食材の「声」が聞こえる。包丁を握れば世界が変わる。
私はどうやら、千年前の「食の女神」の生まれ変わりらしい。
そして現れたのは、最恐の美食評論家――通称「美食王」。
彼の正体は、千年前に私が封印した「魔王」の生まれ変わりだった。
「千年待った。……お前の料理を、もう一度食わせろ」